カターレJ2復帰逃す 勝利も得失点差に泣く 富山で最終戦、終了間際逆転

前半アディショナルタイム、ヘディングで同点ゴールを決める高橋(左)=富山市の富山県総合運動公園陸上競技場

  ●横浜に2―1

 サッカーJ3のカターレ富山は2日、富山市の富山県総合運動公園陸上競技場で行われた最終戦でY.S.C.C.横浜を2―1で下した。勝ち点2差で追っていた2位の鹿児島ユナイテッドFCがガイナーレ鳥取に1―1で引き分け、勝ち点62で並んだものの、得失点差で及ばず、10年ぶりのJ2復帰はならなかった。通算成績は19勝5分け14敗、順位は3位で今季を終えた。

 富山は前半8分に失点したが、アディショナルタイムに今季限りで引退するFW高橋駿太(射水市出身)がヘディングで同点とした。後半終了間際にMFアルトゥールシルバがPKで決勝ゴールを挙げた。

 富山は勝利した上で、鹿児島が負けるか、引き分けて得失点差で富山が上回った場合に、昇格が決まる大一番だった。

 選手は試合終了まで鹿児島の結果を確認せず、目の前の相手だけに集中し、最後まで懸命に戦った。ベンチから鹿児島の引き分けを伝えられると、選手は悔し涙をあふれさせ、がっちりと抱き合った。

 J2復帰は逃したものの、劇的な逆転勝利に、今季最多となる観客6453人が沸いた。サポーターは最後まで熱戦を繰り広げた富山イレブンへ感謝の声を響き渡らせ、来季のJ2昇格へ、気持ちを一つにした。

 カターレ富山は2008年の日本フットボールリーグ(JFL)参入1年目でJ2昇格を決めた。14年に22チーム中最下位となり、J3に自動降格となった。今季は上位をキープし、10月1日の第29節以降は3位につけていた。

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