原発事故から「復興の地」へ 福島県・内堀知事が宣言 長崎県で初フォーラム

福島県の現状について語る内堀福島県知事=長崎市大黒町、ホテルニュー長崎

 東日本大震災や東京電力福島第1原発事故から復興する福島県の姿を伝える「チャレンジふくしまフォーラムin長崎」が1日、長崎市内であった。企業や団体、学校関係者ら約100人が参加し、魅力や復興への課題について学んだ。
 福島県主催。風評払拭や震災の記憶の風化を防ぐため、2017年から各地で開き15回目。長崎県では初めて開催した。
 第1部では内堀雅雄福島県知事が基調講演し、復興が進む現状と課題を説明。震災後、農産物の輸出がほぼ途絶えたが、東南アジア市場を開拓し、震災前より2倍以上の輸出量になった取り組みを紹介した。「福島県の定義を『被災地』から、長崎のように困難や逆境を乗り越えた『復興の地』にするため挑戦を続ける」と宣言した。
 第2部のパネルディスカッションでは、長崎大原爆後障害医療研究所の高村昇教授と折田真紀子准教授、福島県川内村の遠藤雄幸村長、前長崎市長の田上富久氏が登壇。原発事故の発生直後から復興に関わってきた4人が、当時の状況や福島の魅力について語った。
 福島県産の食材を使った料理や日本酒を楽しむ交流会もあった。12年に3カ月間、現地で応急仮設住宅の業務に関わった長崎県土木部住宅課の久田誠司課長補佐は、当時の同僚と参加。「当時を思い出し、目頭が熱くなった。福島ではとても多くのことを学ばせてもらった」と振り返った。


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