長崎拘置支所 収容業務継続を訴えシンポ 県弁護士会

長崎拘置支所の収容業務停止の影響を説明する岩谷弁護士(右)ら=長崎市平野町、長崎原爆資料館

 長崎市の長崎刑務所長崎拘置支所が先月下旬、被告人らの収容業務を停止したことを受け、県弁護士会は2日、同市内で同拘置支所の業務継続の必要性を訴えるシンポジウムを開いた。
 長崎刑務所は2月、老朽化などを理由に同拘置支所の廃庁を見据えた収容業務の停止方針を示していた。同会が反対を表明する一方で、同拘置支所の被収容者は先月23日、諫早市の同刑務所に移送された。
 シンポジウムは市民に刑事弁護の実情と同拘置支所の役割を知ってもらおうと開催。同会の岩谷健作弁護士(49)と佐田英二弁護士(45)、諫早市の社会福祉法人南高愛隣会で受刑者の更生支援に携わった経験がある南口芙美氏(46)=東京都=が登壇した。
 岩谷弁護士は、身に覚えのない罪で逮捕された場合を例に、弁護士の接見の重要性を指摘。同拘置支所の業務が同刑務所に集約されたのに伴い、今後、接見にかかる移動時間が増えるとして「接見時間が十分取れなければ正義の実現に支障が生じる。そうなれば司法への信頼が失われ、社会秩序にも重大な影響を及ぼす」と危機感を示した。南口氏は面会で訪れる福祉職らの移動負担にも触れ「必要な支援が必要な人に届くか不安」と話した。

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