米韓大使が海岸清掃 長崎・対馬市、漂着ごみ問題 「自然保護は責務」

 エマニュエル駐日米大使と、尹徳敏(ユンドクミン)・駐日韓国大使は3日、国内外から漂着する大量の海洋ごみが深刻化している長崎県対馬市を訪れ、海岸を清掃した。エマニュエル氏は報道陣に「とても美しい海岸線に残念ながらごみがすごくたまっている。自然保護や環境を守ることは、われわれ皆の責務だ」と述べた。
 対馬沿岸には海流や季節風の影響で、大量のプラスチックごみなどが漂着している。市によると、量は推計で年間約3万~4万立方メートルにも及んでおり、生態系や環境、地元産業などへの悪影響が懸念されている。
 両大使は同日正午ごろ、同市豊玉町のクジカ浜に到着。海岸漂着ごみのモニタリング調査や学習ツアーに取り組む同市の一般社団法人「対馬CAPPA」の上野芳喜代表理事(67)から現状説明を受け、比田勝尚喜市長らと約15分間、ペットボトルなどを回収した。
 エマニュエル氏は8月の日米韓首脳会談を踏まえ「対馬の海岸の記事を読み、すぐに尹大使に『日米韓のクリーンアップをしよう』と提案した」と訪問の経緯を説明。「(清掃は)日米韓の友情や、すばらしい未来を作り出すいい手掛かりだ。われわれの今後の世代が、対馬の美しさを伝えることができる」と述べた。
 尹氏は「実際にここに来たら想定を超える量でびっくりした。次世代が自然を楽しむことができるよう、力を合わせる必要がある」と話した。

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