外来カミキリ、拡大懸念 在来種に酷似もトチノキ食害 県、情報提供を呼びかけ

 トチノキなどの樹木に寄生する外来種の昆虫「ツヤハダゴマダラカミキリ」の成虫や被害が8月末以降、県内3市町で確認された。在来のゴマダラカミキリと酷似するため発見や対策が遅れる可能性があるとして県は被害拡大を懸念。見つけた場合には速やかな情報提供を呼びかけている。

 ツヤハダゴマダラカミキリは中国や韓国、北朝鮮が原産。体長は約2~3.5センチで樹木の高い位置に産卵する。幼虫が木の内部を食い荒らし、枯死させる。

 国内では2002年に神奈川県で初めて発見された。近年では茨城、埼玉、福島など近隣県で相次いで確認され本県は10県目。広範囲に生息し、各地で倒木の原因をもたらしている。

 県内では8月下旬、那須塩原市大山小のトチノキの下で成虫の死骸が初めて発見され、樹木の上部が枯れる被害があった。9月中旬には大田原市の民家の庭で成虫、那須高のトチノキで産卵痕などが見つかった。被害のあった樹木は伐採する方針という。

 県自然環境課によると、ツヤハダゴマダラカミキリは胸部に二つの白紋がなく、はね上部の表面に顆粒(かりゅう)状の突起がない点、はねの付け根の中央部分に白色の軟毛がない点が在来種と異なるという。同課は「未知数の部分がある生き物。疑わしい虫を見つけたら捕まえ、連絡してほしい」としている。

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