岩手の有床診療所、10年前比42%減 医師の高齢化や後継者不足

 

 地域に根差した「かかりつけ医」として利用される岩手県内の有床診療所(有床診)が、この10年間で42.0%減ったことが厚生労働省の調査で分かった。医師の高齢化や後継者不足などが背景にある。地域医療の受け皿としての役割が増す半面、補助金がなければ全国の3分の1が赤字とのデータもある。4日は「有床診療所の日」。現場の医師は危機感を訴える。

 厚労省の医療施設動態調査によると、県内の有床診は2022年10月1日時点で83施設。12年に比べて60施設も減った。全国的な傾向だが、県内の減少率は全国より4.1ポイント高い。

 日本医師会総合政策研究機構(日医総研)が6、7月に行った調査によると、全国の有床診の院長の平均年齢は64.0歳で、33.9%が70歳以上。親子間の継承が進まず、廃業に歯止めがかからない実態がある。

© 株式会社岩手日報社