新年に向け「黄ぶな」作り最盛期 無病息災など願い 宇都宮のふくべ洞

新年に向けて最盛期を迎えた張り子の黄ぶな作り=4日午後1時35分、宇都宮市大通り2丁目

 新年に向け、宇都宮市大通り2丁目の郷土玩具製造「ふくべ洞」で、縁起物である張り子の「黄ぶな」作りが最盛期を迎えている。

 市内には、かつて天然痘がはやった際、田川で釣れた黄色のフナを食べた人の病気が治ったという言い伝えがあり、黄ぶなを飾って無病息災や厄よけなどを願う風習が残る。

 約30年前から手がける同社では4日、県伝統工芸士の小川昌信(おがわまさのぶ)社長(81)が木型に紙を張って作った長さ約13センチの張り子に色を塗り、丁寧に仕上げていった。

 小川社長は「来年が良い年になるようにとの願いを込めて作っている。伝統文化を後世に伝えていきたい」と話した。張り子は千個作り、同社の店舗や市内の初市で販売する。

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