赤ちゃんの世話、搭乗検査後も 待合室にベビールーム 能登空港が北陸初

男性乗客の声を受けて搭乗待合室に整備されたベビールーム=能登空港

 能登空港ターミナルビル(輪島市)は4日までに、同空港2階の搭乗待合室にベビールームを新設した。子連れの乗客の声を受け、保安検査後にも授乳やおむつ交換のできる環境を整え、利便性を高めた。同社によると、北陸の空港では初めて。素材には地元の能登ヒバを使用しており、同社は子育て世代にも環境にも優しい空港をアピールし、利用促進や搭乗率の向上につなげる。

  ●地元能登ヒバで製作

 「ベビー ケア ルーム」は幅1.8メートル、奥行き1.1メートル、高さ2メートルで、いすとソファを備え、哺乳瓶などを置く棚板も付けた。おむつ専用袋とごみ箱のほか、幼児向けに絵本も用意した。蔵木工所(能登町)が能登ヒバなどで製作した。整備費は191万円。

 能登空港では、開設時から1階到着ロビーにベビールームを設けており、「利用頻度が比較的高かった」(同空港ターミナルビル)が、搭乗の保安検査をした後は戻れない課題があった。子連れの男性乗客から「大変不便」との指摘を受け、地上オペレーションを担当する全日空能登空港所の職員とも相談し、整備することにした。

  ●全日空社内で評価

 同社によると、搭乗待合室のベビールームは珍しく、地方空港では鹿児島にある程度で、小松や富山にもない。同空港所を通じて全日空の社内で紹介され、良い取り組みとして評価されたという。

 同空港ターミナルビルの前田正彦代表取締役専務は、設置翌日には大分からの夫婦が利用したとし、「落雷で飛行機が遅れたため、2度目の授乳をするなど、喜んでいただいた。今後も利便性の高い空港施設を目指したい」と話した。

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