樹齢300年の桜守れ 砺波市、ふるさと納税で応援プロジェクト 地域のシンボルを後世に

樹勢が元気だった頃のエドヒガンザクラ=砺波市庄下保育所(同市提供)

  ●樹勢の回復願い 幅広く協力募る

 砺波地方の豪農の庭木と伝わる樹齢300年のエドヒガンザクラを守ろうと、砺波市は衰えが見えた庄下保育所の古木の樹勢回復に取り組んでいる。今月からふるさと納税を活用したクラウドファンディングで樹勢回復に必要な資金の協力を求めており、地域のシンボルで先人が守ってきた貴重な桜を後世に伝えようと、幅広く市民らの応援を募っている。

 エドヒガンザクラは、越中国砺波郡庄下郷(現砺波市庄下地区)の豪農「根尾家」の敷地に植えられていたと伝わり、長年にわたり観桜期に住民らの心を和ませてきた。1988(昭和63)年4月に敷地の一部で開設した庄下保育所の園庭に立ち、昭和から平成、令和と時代を経て地域の宝である園児を見守っている。

 近年は樹勢の衰えが見られ、樹木医から樹勢回復に向けて継続的な取り組みが必要との診断を受けた。このため市は、今年1~3月に桜の周囲約20平方メートルの土壌を掘り起こして特殊肥料を入れ、衝撃を吸収する措置を行った。

 今年度も引き続き、樹勢回復に取り組む活動を広く知ってもらい、地域のシンボルである桜を守る機運を盛り上げようと、1日からふるさと納税を活用した応援プロジェクトを始めた。来年2月末まで幅広く支援を求める。

 市は4年程度にわたって樹勢回復に取り組む方針で「地域に親しまれ、子どもたちの成長を見守ってきた桜を回復させたい」(こども課)としている。

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