氷見市とさいたま市大宮区(旧大宮市)の酒を氷見の海中で熟成させるプロジェクトの実行委員会(松原勝久会長)が5日、酒瓶632本を氷見市宇波沖の海底に沈めた。海中で3カ月~1年間熟成させて味に深みを出す。海の恵みと地元の酒を生かし、氷見と大宮の交流促進や魅力発信につなげる。
氷見市と大宮地区は、北陸新幹線開業を機に互いの商工関係者が交流している。プロジェクトは「氷見・大宮海中熟成絆酒」と銘打ち、今年8月に始まった。
氷見市からは高澤酒造場の日本酒「曙」やNPO法人速川活性化協議会の焼酎「臼が峰」、氷見稲積梅の梅酒、セイズファームのワインを用意。大宮からは地酒の「金紋世界鷹」を持ち寄った。
実行委メンバーや宇波浦漁業組合の漁師が漁船で酒瓶を運んだ。酒瓶に重りを付け、定置網につり下げて海底15メートルと同35メートルの地点に沈めた。来年2月に同15メートルの酒瓶約100本を引き揚げ、寒ブリと一緒に味わうイベントを氷見市内で開く予定だ。
実行委の小清水勝則事務局長は「富山湾で熟成することで、まろやかな味わいになればいい。プロジェクトを機に氷見と大宮の交流を深め、人の行き来も活発にしたい」と話した。