住宅地のクマ捕獲で連携、被害防止へ円滑化 富山市議会一般質問

住宅近くでクマを捜索する警察官ら。市は的確に捕獲できるよう、県や鳥獣被害対策実施隊も交え、今後シミュレーションを重ねていく=11月16日、富山市内

 富山市議会は5日、本会議を再開し、横野昭、松井邦人、織田伸一、金谷幸則(富山自民)、久保大憲、金岡貴裕(自民)、柏佳枝(公明)の7氏が一般質問した。金山靖農林水産部長は、クマによる人身被害が相次いでいることを受け、住宅地での捕獲を円滑にできるよう、県や警察、捕獲隊と連携し、シミュレーションを重ねる考えを示した。織田氏への答弁。

 住宅地で銃を使って野生動物を捕獲するのは鳥獣保護管理法で禁止されているが、危険が差し迫っている場合、現場の警察官の指示で捕獲することができる。ことしは10月23日に同市安養寺で1件あった。

 捕獲には最低10人ほど必要とされ、役割分担や立ち位置など綿密な準備が求められる。ただ、市や県の職員、警察官、市内の鳥獣被害対策実施隊員が現場で初めて顔を合わせるケースもあり、意思疎通が円滑にいかず捕獲に支障が出る恐れもあった。

 今後、住宅地でクマの単独出没や親子での出没のほか、倉庫や納屋に入り込むなど、さまざまなケースを想定して関係者で捕獲手順をチェックし、現場で迅速に対応できるようにする。

 また、クマが河岸段丘をたどって平野部に来る傾向があるため、人工知能(AI)を活用したクマ検知のカメラシステム配置を検討する。県の管理計画で狩猟期間は11月15日~翌年2月15日となっており、人身被害防止のため2週間前倒しして解禁するよう県に要望する考えも示した。

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