京アニ公判 青葉被告が遺族や被害者に謝罪 「申し訳ありませんでしたという形にしかならない」

青葉真司被告

 36人が死亡、32人が重軽傷を負った2019年7月の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人罪などに問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判の第21回公判が6日、京都地裁(増田啓祐裁判長)であり、被告人質問が行われた。青葉被告は検察側から遺族や被害者に対しての思いを問われ「やはり、申し訳ありませんでしたという形にしかならない」と謝罪の言葉を述べた。

 これまでの公判で、青葉被告は犠牲者遺族や被害者への謝罪の意思を明確には示していなかった。審理の最終盤になって贖(しょく)罪(ざい)の気持ちを言葉にした。

 公判は11月下旬から5回にわたって遺族や負傷者の意見陳述が行われてきた。この日、最後となる負傷者の意見陳述を聞き終えた青葉被告は、検察側から多くの犠牲者や負傷者を出した事件について「心からの謝罪をすべきでは」と問われると、青葉被告は「そうすべきだと思います」と述べた。

 被害者による意見陳述では、多くの遺族らが極刑を求める処罰感情を述べる一方で、数人が「罪に向き合い、反省してほしい」「生涯を終えるまで、36人の命に謝罪し続けて」と求めていた。

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