同居の母(当時89)を殺害 初公判で男(51)は「殺意なかった」と主張 大卒後に引き込もり生活

3年前、広島市で母親を殺害した罪に問われた男の裁判員裁判が広島地裁でありました。弁護側は「責任能力がなかった」と無罪を主張しました。

起訴状などによりますと、広島市南区翠の無職・津下英範被告(51)は2020年8月、深夜に自宅で、同居していた母親の英子さん(当時89)の胸などを包丁で多数回突き刺し、失血死させたとして、殺人の罪に問われています。

6日の初公判で津下被告は「自分が原因で母が亡くなったとは思うが、殺意はなかったです」と述べました。

検察側は冒頭陳述で「津下被告は大学卒業後、引きこもり生活をしていたが、亡くなった父親名義の口座のうち一部を母親に知らせていなかった」、「相続財産の不正申告で母親が逮捕され、刑務所に入れられてしまうなら、いっそのこと殺害しようと思った」と指摘しました。

一方、弁護側は「津下被告には精神疾患があり、事件前に自殺を試みていた。当時は異常な精神状態で、責任能力はなかった」として、無罪を主張しています。

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