青森県八戸市の八戸自動車道で走行中の大型トラックのタイヤが外れ、衝突した男性が死亡した事故で、脱輪した左後部のタイヤ2本を固定していた複数のナットが、八戸西スマートインターチェンジ(IC)手前の路上で発見されていたことが6日、捜査関係者への取材で分かった。タイヤと車体をつなぐボルト部分に目立った損傷はなく、県警はナットの緩みが事故原因となった可能性が高いとみて捜査を進めている。
捜査関係者によると、同IC付近では、1本目に外れたタイヤが見つかっており、八戸北ICで停車するまでの間、約4.5キロを脱輪したまま走行し、途中で外れた2本目のタイヤが男性にぶつかったとみられる。
トラックの運送会社「盛運輸」(本社・青森市)によると、運転手は聞き取りに対し、八戸西スマートICと事故現場を通過した際の2度、車内の横滑り防止ランプが点灯したことに気付いたが、「走行時の違和感はなかった」と説明。そのまま走行を続け、八戸北IC付近で別の警告ランプが点灯し急停車した。その後、警察にタイヤが外れていることを指摘されるまで気が付かなかったという。
県警は6日、自動車運転処罰法違反(過失運転致死傷)の疑いで、同社と岩手県矢巾町の営業所など4カ所を家宅捜索した。青森市新町野の本社では同日午前9時前、捜査員約10人が同社に入り、約1時間後、押収した関係資料を入れた複数の段ボールを車に積み込んだ。
家宅捜索後、同社の盛大剛社長は報道陣の取材に「点検の不備を認めざるを得ない。会社としての責任が非常に大きいと思っている」と語った。
事故は1日午後、八戸西スマートIC-八戸北IC間の下り線で発生。路上で作業中だった八戸市東白山台3丁目、会社員木村泰輔さん(32)に衝突し死亡した。同僚で木村さんの父(63)は軽傷を負った。