【韓国】心の健康政策見直し、自殺率引き下げ目指す[社会]

韓国政府が、国民の心の健康の管理を支援する政策を予防から治療、日常の回復に至るまで全面的に見直す。韓国の2022年時点での自殺率は人口10万人当たり25.2人と、経済協力開発機構(OECD)加盟国でトップだった。これを10年以内にOECD平均水準(10.6人)まで引き下げたい考えだ。

韓国保健福祉省が5日に発表した「精神健康政策革新方案」によると、まずは24年中に、中・高リスクの精神疾患者を中心とする8万人に対して心理カウンセリングサービスを提供する。27年までに100万人が専門のカウンセリングサービスを受けられるようにする計画だ。

また、無料対話アプリ「カカオトーク」や地場IT大手ネイバーの精神健康自己診断サイトなどを利用したモバイルでのセルフチェックサービスも提供する。

■健診拡大や予防教育も

健診も大幅に拡大する。まずは20~34歳の若年層から、検査の対象となる疾患を従来のうつ病から統合失調症や双極性障害(そううつ病)などに広げる一方、健診周期もこれまでの10年から2年に大幅に短縮する。

大学や職場での支援を強化して、国民を対象とした自殺予防教育も行う。自殺予防に向けて、緊急電話「109番」や交流サイト(SNS)を利用した相談受け付けも行う方針だ。

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