1個ずつ選果、磨き、包装… 皇室献上リンゴ箱詰め 青森・黒石市

献上リンゴ発送に向け作業する職員=6日午前、黒石市のりんご研究所研修館

 青森県黒石市の県産業技術センターりんご研究所(初山慶道所長)は6日、皇室に献上する本年度産リンゴの選果と包装、箱詰め作業を行った。職員たちは品質が良く見栄えがいいリンゴを届けようと、思いを込めて丁寧に作業に当たった。

 今年は同研究所で栽培した「ふじ」と「王林」の2品種を献上。同研究所によると、記録的な猛暑により果実に日焼けや着色不良、落果などが発生し栽培管理が難しかったが、糖度が高く果汁の多いおいしいリンゴに仕上がったという。

 この日は同所研修館で作業を行い、昔ながらのかすり模様の作業着を着た職員5人が、一つ一つ手に取り傷の有無を確認。ガーゼで磨き上げ、和紙とネットで包んで段ボール箱に詰めていった。

 詰め合わせ1箱(10キロ)を7日に発送し、8日に宮内庁や仙洞御所など計7カ所に届ける。初山所長は「県内の生産者は大変苦労して今年は作ったと思う。苦労したがよくできたということに思いをはせていただければ、われわれとしてはうれしい」と話した。

 献上リンゴは1928(昭和3)年に始まった。戦争などにより一時中断したが、59(同34)年に再開してからは毎年続けられ、今年で79回目。

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