南米のパイ「新名物に」 青森・つがる市で試作会 カフェで提供へ

「エンパナーダ」のレシピを伝授したオリビアさん(前列左)と試作会に参加した(後列左端から時計回りに)宮田さん、高橋さん、小田川さん、ウィリアムさん
試作した「エンパナーダ」。上が手作りの生地、下が市販のパイ生地で作ったもの

 青森県つがる市善積の宿泊施設「タノナガノヤドッコ」でこのほど、パイの一種である南米料理「エンパナーダ」の試作会が開かれた。今後、同施設内のカフェで提供する予定で、経営者の高橋俊介さん(58)は「さまざまなパイ料理をつがる市の新しい名物にしたい」と張り切っている。

 エンパナーダは香辛料で味付けしたジャガイモやひき肉、トマトなどの具を包んだ半円状のパイ。パクチーが入ったサルサソースにつけて食べる。作り方を紹介したのは、米国出身で同市の国際交流員であるスナイダー・オリビアさん(24)。オリビアさんは高校や大学時代にエクアドルとペルーに留学しており、その際におやつとして食べていたという。

 試作会には高橋さんとオリビアさんのほか、オリビアさんの夫ジェームズ・ウィリアムさん(26)、同市の地域おこし協力隊員小田川貴子さん(37)、宮田真梨子さん(26)が参加。

 5人は小麦粉、バター、塩で作った現地で食べられているものに近い硬めの生地と、市販のパイ生地に包んだものの2種類を試作し、オリビアさんが味付けや作り方のこつを伝えた。試食の際には「お店で提供するなら市販のパイ生地の方が保存も簡単で、早く作れると思う」「ソースのパクチーの主張が強すぎなくて、苦手な人でも食べられそう」などの意見が出た。

 タノナガノヤドッコでは、出た意見を基にできるだけ早くカフェのメニューにする予定。高橋さんは「オリビアさんのエンパナーダ」として市内の飲食店とレシピを共有する構想を語った上で、「新しい名物にしたい。一体感を持って地域を盛り上げられたらうれしい」と力を込めた。

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