2歳の娘が発熱し… 子連れで議会の抽選会に臨むも認められなかった女性市議→議会が代理出席OKに

愛知県豊橋市の市議会は、12月議会から、一般質問の順番を決める抽選で、家族の育児や介護などの理由でも「代理出席」を認めました。

家族の急病で、抽選に参加できなかった経験がある市議に話を聞きました。

12月4日の豊橋市議会。

この日、無所属の諸井菜々子(もろい ななこ)市議(37)が一般質問に。

(諸井菜々子市議)
「付き添い入院を行う保護者の就寝環境の減容と、睡眠や休息を十分に取ることができるようにするための配慮について。以上、お伺いしたい」

諸井さんには、この質問に並々ならぬ思いがありました。

(ことし4月 諸井菜々子市議)
「少子化対策・子育て支援を充実させていきたい」

2人の子どもを育てる諸井さんは、就学援助の拡充や2人目以降の子どもを育てる世帯への支援などを訴え、ことし4月の選挙で初当選を果たした新人議員。

今回質問した子どもの入院に付きそう親の負担軽減については、9月議会で質問しようと準備していましたが…

(9月 諸井菜々子市議)
「子どもを伴って抽選会に参加させてもらうことはできないか議長に相談したが、参加はできないと」

9月議会での質問の順番を決める「抽選会」前日の夜遅くに、2歳の娘が発熱。

保育園や病児保育を利用することも出来なかったため、娘を連れて登庁し抽選会の15分前に子連れで参加したいと議長らに相談しましたが、認められず、質問する権利を失いました。

抽選への参加を認めなかったことについて、近藤喜典議長は。

(9月 豊橋市議会 近藤喜典議長)
「インフルエンザやコロナ感染症などが陰性と判断できない状態では、抽選会に同席させることは不可能と判断した」

こう話す議長も実は、3人の子育て中。

7月から豊橋市議会の子育て世代の議員に、議会への課題をヒアリングし見直しの議論を進めていました。

そして、これまで本人が病気などの場合のみ代理出席を認めていた一般質問の順番を決める抽選も、見直しの対象になったのです。

(豊橋市議会 近藤喜典議長)
「私も子育て世代の議長、副議長も女性。就任当初から多様な人材が参画しやすい議会に改革しようと変更した」

豊橋市議会は11月27日、一般質問の順番を決める抽選で、家族の育児や看護・介護などやむを得ない理由がある場合も、代理出席を認めることに。議員の家族の事情にも柔軟に対応できるようになりました。

(諸井菜々子市議)
「(事前に相談の)電話をすれば、対応してもらえると子どもの急病時にも安心感がある。働きやすさは一歩前進なのでは」

子育て世代の意見を反映し、議員の働き方はもちろん、市民の声が届きやすくなる議会改革は進んでいくでしょうか。

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