ユニクロが初出店したのは…街から車で40分の山間地 高齢化率は56% ヒートテックやダウンのほか 買い物の足も確保=静岡

静岡市の中山間地「オクシズ」にユニクロが初進出です。人口減少や高齢化が進む中、「買い物場所」や「移動手段」の確保を実現するため、社会実験の一環として、12月7日、買い物支援事業が行われました。

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<坂口将也記者>
「静岡市中心部から北に車で40分ほど走った場所にある大河内エリアに来ています。この場所で地元住民向けのイベントが開かれています」

静岡市葵区の山間部で売られていたのは、ヒートテックにダウンなど、おなじみのユニクロの商品です。

<地元住民>
「こういう田舎まで出向いてくださるということは地元としては嬉しいですよ。地元にも商店はあるが、だんだん減っているんですよ」

12月7日、静岡市葵区の大河内生涯学習交流館で開催されたのは、市が展開している買い物支援事業「オクシズかいもの広場」です。うな丼やパンなどの食料品、地元では手に入りづらい商品やサービスを提供する11店舗が出店。メガネのJINSも初めてこのイベントに出店しました。

開始早々、開催を待ち望んでいた多くの地元客で賑わいました。

<地元住民>
「すごいいいことだと思う。なかなか『おまち』まで行くのは大変。みんな高齢化してきたから」

イベント会場となった大河内地区は、住民のうち半数以上(56%)が65歳以上の高齢者で、高齢化は深刻な状況です。

この地区には、スーパーやコンビニがなく、運転に不安を抱える高齢者も多いことから、「買い物」や「移動手段」の確保が重要な課題となっています。こうした課題を解決しようと、7日のイベントに合わせ、市は乗合タクシーの実証実験も行いました。

大河内地区から静岡市の中心市街地までは、車で片道40分以上かかります。

<地元住民>
「車の運転ができないので、出掛けるときは助かる」

中心街での買い物は高齢者にとって、心身ともに大きな負担となってしまいます。しかし、乗合タクシーと買い物イベントを組み合わせることによって、住民にとっては負担の軽減につながることが期待されます。

<静岡市中山間地振興課 竹澤昌利主査>
「中山間地域はこういった森とか自然だけではなく、水源なども含めて大きな価値があるところ。ここを守ることが市全体を守っていくことになるので、続けていきたい」

中山間地を便利にするためのプロジェクト。静岡市は今後もこの買い物支援事業を他のエリアにも広げていきたい考えです。

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