原発の地盤評価、問題点を証言 元京都大助教授、運転差し止め訴訟

大津地裁

 滋賀県の住民らが福井県の大飯、高浜、美浜の関西電力3原発7基について運転差し止めを求めた訴訟の第39回口頭弁論が7日、大津地裁(池田聡介裁判長)であった。応用地震学を専門とする元京都大防災研究所助教授の赤松純平氏(80)が原告側証人として出廷し、原発の地盤の評価を巡る問題点を証言した。

 赤松氏は、原発の地盤モデルについて、関電が実際の調査結果より均質な構造に設定していることに加え、地域性や不確かさを考慮していないことなどから、設定されている基準地震動(耐震設計の目安となる揺れ)は過小評価になっていると証言した。また関電の調査資料について、「恣意(しい)的な解釈をしており、結果を誘導するために条件設定をしている」と指摘した。

 弁論後の記者会見で、井戸謙一弁護団長は「地盤の増幅特性は非常に重要な問題。この認識を全国的に高めていくきっかけになったのではないか」と述べた。

 赤松氏は「現場の技術者はデータを一生懸命調べたが、関電はそれを外に出さなかった。ちゃんと解析して見える形で出してほしい」と話した。

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