矢野顕子さん、故郷・青森の美術館でライブ 奈良美智さんの提案受け実現、個展展示室で演奏

奈良美智さんの作品が並ぶ展示室で歌声を響かせる矢野顕子さん=7日夜、青森市の県立美術館

 青森市出身のシンガー・ソングライター矢野顕子さんが7日夜、同市の県立美術館でギャラリーライブを行った。同美術館で開かれている弘前市出身の現代美術家・奈良美智さんの個展「奈良美智:The Beginning Place ここから」の企画として、奈良さんの提案を矢野さんが受ける形で実現。倍率20倍超の抽選で当選した約70人が柔らかな歌声とピアノの音色に酔いしれた。

 矢野さんが同美術館でライブを行うのは開館前年の2005年、開館10周年の16年に続き3回目。過去2回はアレコホールでの公演だったが、今回は個展の展示室にピアノを設置した。

 午後7時過ぎ、拍手に迎えられて登場した矢野さんは満面の笑みでピアノの前に座り、代表曲「ラーメンたべたい」や、奈良さんの個展を見てひらめいたという新曲など10曲を演奏。津軽弁で思い出話も披露し、「私にとっての一番のごちそうのラーメンは、合浦公園のつじい」と語った。

 会場には奈良さんも姿を見せ、矢野さんと津軽弁でやりとりしながら「本当にありがとう。すごい良いライブだった」と絶賛。矢野さん、奈良さん双方のファンという野辺地町の若山圭子さん(48)は「夢見心地。津軽弁で話して、即興で歌も作ってくれた。(ライブを提案した)奈良さんにも感謝したい」と興奮気味だった。

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