忘年会大人数予約戻る 年内満席の飲食店も コロナ5類で企業増加

酔客が行き交うスクランブル交差点。飲食店では忘年会の予約が増えている=金沢市片町

 石川、富山両県の飲食店や宴会場で、予約件数が前年を超える施設が目立ってきた。コロナ下では少人数での利用が主流だったが、感染症法上の5類移行に伴って大人数の団体予約が増加。今月の週末は既に満席となり、売り上げがコロナ前水準に回復した店舗もある。人手不足の中、複数店舗を有する企業は人員の配置に苦慮しながら、書き入れ時に対応している。

 「4年ぶりに職場の忘年会を開こうと、片町や金沢駅前の飲食店に電話をしたら、12月は既に予約がいっぱいでダメだった」。金沢市内の食品会社の社員が驚き交じりに、こう話した。

 金沢駅前や片町、近江町市場で和食の飲食店を展開するハチバン(金沢市)によると、今月は水曜から週末にかけて、ほぼ満席となっており、店舗にかかってくる予約の問い合わせは昨年と比べて3~4割増となっている。

 昨年の忘年会は感染拡大の警戒から、5、6人での利用が多かったという。今年は企業の団体予約が好調で、15~20人での利用が増えている。

 各店舗の予約状況を見ながら、比較的余裕のある他店から応援を派遣し、人員のやりくりをしている。担当者は「予約状況はコロナ前の水準に回復しており、コロナ前に常連だった人も戻ってきている。よい新年を迎えてもらうために、総力戦で乗り切りたい」と話した。

 石川県内で居酒屋など7店舗を運営するこよみ(野々市市)では、今月中の週末(金、土、日曜)の予約が既に埋まっている。10人以下の少人数が中心だった昨年に対し、今年は30~40人規模の大人数が目立つ。担当者は「予約の勢いはコロナ前を超えている」と話した。

 富山市の歓楽街・桜木町に日本料理店2店を構える「十(と)々(と)八(や)」では、金、土曜で満席の日が増えてきた。1グループの人数は昨年が多くて20人前後だったが、今年は大人数の予約が増え、最大43人が入る日もある。

 同市の酒菜家おあじ総曲輪店でも週末を中心に席が埋まってきた。同市の「炉端とらまる」の担当者は「昨年と比べると、目に見えて大人数の予約が増えた」と喜ぶ。

  ●宴会場も需要回復

 宿泊施設の宴会場も需要が回復している。金沢市の金沢ニューグランドホテルでは、忘年会、新年会の予約がともに前年と比べて伸びている。ホテル金沢も忘年会、新年会の予約が増えており、団体は平均50人前後で、コロナ前並みの規模に戻ってきているという。

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