穴水にサップ学校 農家民宿・龍屋、北陸初の公認校

公認スクールの認定証を手にする藤本さん(右)と東野さん=穴水町曽福

  ●海にボード浮かべパドルでこぐ 「能登にマリンスポーツ定着を」

 海に浮かべたボードに立ってパドルでこぐ「SUP(サップ)」の体験を行う穴水町曽福の農家民宿「龍屋(たつや)」が3日までに、日本セーフティパドリング協会(JSPA・横浜市)の公認スクールに認定された。北陸三県では初めてで、愛好者らの技術、安全管理を向上させる役割などを担う。藤本陽子校長(45)は「能登でマリンスポーツが定着する弾みになる」と期待している。

 日本セーフティパドリング協会は、国内での安全なパドルスポーツの普及を目的に1988年に設立された一般社団法人で、公認スクールは全国に約50カ所ある。

 公認スクールに認定されると、愛好者や教育団体向けにパドリング技術向上のテストを実施できるほか、身に付けなければならない安全管理を学ぶ講習会、インストラクター検定の事前講習会などを実施できる。

 龍屋によると、これまでは北陸三県に公認スクールがなかったため、各種テストや講習会、研修会を受けるには、スクールがある地域に泊まり掛けで行くしかなかったという。

 2017年にオープンした龍屋は、宿の前に広がる穴水湾でサップ体験を実施している。透明度が抜群のべたなぎ時の穴水湾では、宙に浮いたような感覚になるのが人気で、体験者は年々増加し、年間約1200人が利用する。

 7月に穴水湾でサップレース(北國新聞社後援)を初めて開催するなど地域活性化の活動にも積極的で、こうした取り組みが公認スクール認定に向けた推薦理由とされた。

 「能登の湘南」を目指す龍屋オーナーの東野龍也さん(60)は「若者のふるさと離れを少しでも減らし、逆に入ってくる若者を増やしたい」と話し、藤本校長は「サップをさらに普及し、マリンスポーツの拠点にしたい」と語った。

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