小松市が一挙7人懲戒処分 初のパワハラ3人

  ●消防、病院中心

 小松市は7日、市防犯交通推進隊連合会の口座から25万2千円を引き出し私的流用した行政管理部の20代職員を停職6カ月とするなど、計7人の懲戒処分を発表した。ほかの6人は市消防本部と市民病院の所属で、市では初のパワハラ認定を含め一度に7人を処分する異例の対応。うち2人は依願退職した。昨年末に職員から相談があったことを受け調査を進めていた。市役所で会見した宮橋勝栄市長は陳謝し、綱紀粛正に努めるとした。

  ●宮橋市長陳謝

 市によると、停職6カ月となったのは会計年度任用職員で、9~11月に口座から6回、金を引き出し、生活費などに充てていた。職員は全額を返済し、処分を受けた11月30日付で依願退職した。

 市消防本部では、30代職員が上司や同僚の制服や活動服、消防手帳など市の貸与品計18点(約20万円相当)を嫌がらせ目的で捨てたという。官物(かんもつ)損壊で11月30日付で減給10分の1(6カ月)とし、職員は同日付で依願退職した。

 パワハラとされたのは3人。消防本部の50代課長級職員はコロナ禍だった2019年度末ごろ、業務用の消毒液を私的に使うために部下に取ってくるよう指示したとして減給10分の1(4カ月)。市民病院の看護部の50代参事級職員は尊厳を無視した発言や強い叱責(しっせき)を部下に繰り返したとして、減給10分の1(4カ月)に。精神疾患(適応障害)を患い退職した職員がいるという。

 医療技術部の50代参事級職員は業務委託先の複数の社員に尊厳を無視した発言などを常習的に行い、社員に退職者や退職希望者が出たとして、減給10分の1(4カ月)となった。

 消防本部の40代主幹級職員は「職場内秩序を乱す行為」、同じく40代主査級職員が「業務妨害行為」でそれぞれ戒告となった。いずれも処分は6日付。

  ●22年12月から調査

 市は昨年12月、職員の相談を受けてパワハラ実態把握調査と、聞き取り調査を開始した。

 宮橋市長は会見で「病院と消防という市民の命を預かる組織での処分は遺憾の極み。市民に深くお詫びする」と頭を下げた。その上でハラスメント対策に取り組むとした。

 部長級や課長級など管理監督者の職員計7人も「文書注意」の措置とした。

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