妊娠中の女性は、日々大きくなっていく赤ちゃんを支えるため骨盤への負荷がかかり、骨盤がゆがみがち。骨盤のゆがみがひどいと難産や産後の不調にもつながる恐れがある。カイロプラクティックの資格をもつ福井県福井市の開業助産師、中嶋美代子さん(62)の骨盤体操講座を訪ね、自宅でも簡単にできる体操を教えてもらった。ぜひお試しあれ。
「息を吸いながら背中を丸めて。吐きながら反って」
「肩甲骨をはがすイメージで」
11月に福井市の子育て支援施設「ハーツきっず羽水」で開かれた、子どもが生まれる前の夫婦を対象にした県民生協の骨盤体操講座。市内外から集まった妊娠6~8カ月の妊婦さん7人が中嶋さんの指導のもと、両手と膝を床につけた姿勢で背中の筋肉を伸ばしたり縮めたりする「ネコ体操」や、足首・足指回しなどに挑戦。体に負担がかからない簡単な運動を体験した。
中嶋さんは「妊娠中は反り腰や横座りで、骨盤がゆがんで肩の高さが少しずれることが多い」と説明。参加者は▽あおむけの状態で立てた膝を左右に動かす▽足を伸ばして座り、歩く動作をする▽ペアになって座っている人の肩を押す―などに取り組んだ後、肩の高さを確認し合い、運動の効果を実感していた。
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初めての出産を控えている越前市の女性(25)は「骨盤体操をやってみて体が温かくなった。家でも定期的にやっていきたい」と笑顔を見せた。
「骨盤体操は出産でずれた骨盤を整えるのにも効果があり、妊娠の安定期から産後半年ほどまで取り組むとよい」と中嶋さん。「骨盤を整えると、切迫流産や早産の予防になる。筋肉を柔らかくし、血流やリンパの流れも良くなるので妊娠中も元気に過ごすことができる」と話していた。