手をつないだり、おんぶしたり1.5km…夜の歩道で迷子みつけた女子高生の神対応 福井県、額の傷にはばんそうこう

鯖江署の中堀署長(右)から感謝状を受け取った桑山さん=12月7日、福井県越前町の丹生高校

 福井県警鯖江署は12月7日、鯖江市内の歩道で迷子になっていた市内男児(5)を保護した丹生高校2年の桑山智帆さん(17)に感謝状を贈った。桑山さんは、転んでけがをしていた男児の額に手当てを施し、交番に送り届け「(男児が)お母さんと会えて良かった」と振り返った。

 桑山さんは4日午後6時半ごろ、訪れていた鯖江中から帰宅中、鯖江市熊田町の歩道で「ママー」と言いながら走る男児を発見。心配になり、追いかけて声をかけた。負傷していた額にばんそうこうを貼り、男児をおんぶしたり、手をつないで走ったりして約1.5キロ先のJR鯖江駅西側の駅前交番まで送った。男児が興味を持っていた電車の話もしたという。

 同署によると、男児は同日午後6時ごろ、発見現場から約500メートル離れた保育園で母親が迎えに来た際、行方が分からなくなった。桑山さんは、捜索で警官が不在だった駅前交番から警察に連絡。同7時半ごろ、男児は母親と再会した。

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 この日、越前町の丹生高校で同署の中堀晴史署長が桑山さんに感謝状を贈り「勇気と思いやりを持った対応に敬意を表したい。男児の家族も喜んでいる」と述べた。桑山さんは「暗くて車も多かったので危ないと思った。命に関わるようなことがなくて良かった」と笑顔で話した。

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