J1定着の土台つくる モンテ相田社長、今後の目標語る

株式会社モンテディオ山形の相田健太郎社長

 サッカーJ2・モンテディオ山形を運営する株式会社モンテディオ山形の相田健太郎社長が山形新聞の取材に応じ、今季の経営状況や今後の目標について語った。「J1に定着できる経営規模を目指す」とし、平均観客動員数は1万人、売り上げを30億円まで引き上げる強い意気込みを披露した。以下は一問一答。

 ―今季のクラブの売り上げが24億円に到達する見込みだ。

 「金額は強さではないが、チームの躍進を支えている。社団法人という形から始まり、山形県全体に支えられて成長してきたのがモンテの一番の良さ。先人への感謝を忘れずに、新たな取り組みも進める」

 ―今後の成長に向けた展望は。

 「来季はJ2が20チームになる影響で試合数が減る。このため売り上げは減少する見込みだ。クラブは成長過程にある。新しい環境で、どうすれば売り上げを伸ばせるか、考えながらやっていきたい」

 ―チームは2年連続でJ1昇格を懸けたプレーオフに進出した。

 「チームスタイルが形作られてきて、戦力が着実に積み上がっている。経営側からすると無理な投資は厳禁だが、来季は少し背伸びをしてでも本気でJ2優勝を狙う戦力をそろえたい。序盤から好調を維持し、夏にもうひと伸びする戦いを見せたい」

 ―今季の観客動員数はJ2在籍シーズンでは過去最高の平均8318人に達した。

 「後半戦の好調ぶりも影響したが、勝負ごとは予測できない。経営側としては、地域への密着度を高めることや、調子が悪い時期も来場者数を維持できるビジネスにこだわる必要がある。仮に負け試合でも、試合内容以外が楽しかったからもう1回来たい―と思われるスタジアムにする。J2でも平均1万人を目指す。その土台がないとJ1に定着できない」

 ―今季は平日デーゲームのエデュケーショナルデーが注目を集めた。

 「新たな層を取り込む点で平日試合の使い方はとても重要だ。また挑戦したいが、学校側の都合を考えると5、6月でないと実施が難しいのが悩みどころ。子どもに限らず高齢の方々を招くなど、スタジアムを多世代の交流のきっかけ、街づくりの一助になる空間にしていきたい」

 ―新型コロナウイルス禍が一段落した。

 「就任1年目の2019年の経営と成績がかなりうまくいき、2年目はプレッシャーの中で、誰も経験したことがない環境が襲ってきた。みんなパニックに陥った。ありがたかったのは、職員たちが『できるようになったら、こんな企画をやりたい』というアイデアを蓄えたこと。今年はそれが一気に花開いた。職員が自信を持てた1年だった」

 ―今後の目標は。

 「もう1段階上に行くには現状で満足してはいけない。どれだけ早く売り上げ30億円にたどりつけるか、こだわりたい。大きな親会社はいないが、山形県の人たちがついている。そして新スタジアム建設の動きを、発表したスケジュール通りに進めていく」

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