「良い意味で“クレイジー”」「F1に近いクルマ」「岩佐との差を感じた」【SF Mix Voices ルーキーテスト】

 12月6〜8日にわたって鈴鹿サーキットで開催された全日本スーパーフォーミュラ選手権の2023年合同/ルーキーテスト。ルーキー(SF決勝出走が4戦未満のドライバー)のみが出走可能なテスト3日目には、12名のドライバーが参加した。

 ここではテスト3日目を終えたルーキードライバーたちが一堂に会したミックスゾーンから、彼らの声をお届けする。

■イゴール・オオムラ・フラガ(TCS NAKAJIMA RACING)

 2023年はSFライツとスーパーGT GT300クラスに参戦したオオムラ・フラガは、2022年12月に鈴鹿で実施された合同/ルーキーテストにTEAM IMPULから初参加して以来、約1年ぶりに国内トップフォーミュラのステアリングを握った。

 2日間計4セッションの走行を終え、「一年ぶりに乗っても、2022年と同じインパクトをまた感じましたね。すごく速いな! と思いました」とフラガは笑顔でスーパーフォーミュラの感触を口にした。

「(今回のテストから)ダンパーなどの仕様も変わったので、チームとしてはロングをやるというよりも、特性をつかむとか、スピードに繋げられるものを多めにテストしていたので、昨日(7日)の午前中(セッション3)は慣熟走行みたいな感じで、あまりクルマ自体は触っていませんでした。午後(セッション4)は一周だけアタックして、そこからセットアップを変える、というかたちでテストをしていましたね」

 搭乗初日となった7日のセッション3は18番手、セッション4は17番手タイムとなったオオムラ・フラガ。SF決勝経験が4戦未満のルーキーのみが参加できる8日は、午前午後ともに2番手タイムをマークするも悔しさは残ったようだ。

「最後の方は結構いいところには来ることができたと思っています。ただ、アタックラップをまとめることがなかなか難しかったので正直、あと0.2〜0.3秒くらいは削れたのじゃないかなという感覚があったので、そこはまとめきれず、悔しいところは残っていますね」

 なお、オオムラ・フラガは2022年の合同/ルーキーテストでTEAM IMPULのSF19をドライブ。今回はTCS NAKAJIMA RACINGのSF23に乗った。クイック&ライトというコンセプトは引き継ぎつつ、空力面で大きな変化を遂げたSF23とSF19のフィーリングの違いを尋ねると「結構ありました」と口にする。

「もちろん、2022年とはチームも違うので一概には言えません。ただ、SF23の方がダウンフォースを失うか、失わないかという領域が非常にピーキーです。低速域やトラクションがもっとほしいといって車高などを変えると、逆にエアロ(のバランス)が崩れちゃってぜんぜん駄目になったりと、すごく敏感ですね。クルマの姿勢を一定にコントロールしつつ、どうやってメカニカルもゲインできるかというところのバランスがすごく難しいクルマだと感じました」

 SFライツ参戦初年度をシリーズ4位で終えたオオムラ・フラガ。SFではeモータースポーツアンバサダーも務めているが、「いずれはSFレギュラーシートで乗りたい」と、ひとりのドライバーとしての思いを口にした。

「そのために、これからも努力を続けます」

2023スーパーフォーミュラ合同/ルーキーテスト イゴール・オオムラ・フラガ(TCS NAKAJIMA RACING)
2023スーパーフォーミュラ合同/ルーキーテスト ノーラン・シーゲル(B-Max Racing Team)
2023スーパーフォーミュラ合同/ルーキーテスト オリバー・ラスムッセン(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
2023スーパーフォーミュラ合同/ルーキーテスト デビッド・ビダーレス(VANTELIN TEAM TOM’S)
2023スーパーフォーミュラ合同/ルーキーテスト ラスムス・リンド(TGM Grand Prix)
2023スーパーフォーミュラ合同/ルーキーテスト ベン・バーニコート(VANTELIN TEAM TOM’S)

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