滋賀のドライバー「歩行者ファースト」浸透 横断歩道での一時停止率、初めて全国平均超え

歩行者横断時に車が一時停止した割合

 日本自動車連盟(JAF)が毎年実施している全国調査で、信号機のない横断歩道を歩行者が横断しようとする際に車が一時停止する割合について、滋賀県が初めて全国平均を上回ったことが分かった。担当者は「歩行者ファーストの意識が浸透してきた」と歓迎し、さらなる意識向上に取り組む。

 道路交通法の規定では、横断歩道を横断中か、横断しようとしている歩行者がいる場合、車は一時停止しなければならず、従わなければ横断歩行者妨害の違反になる。

 JAFは2016年以降、全国で実態調査を行い、結果を公表している。全国的に上昇傾向だが、滋賀県はこれまで全国平均を上回ることがなく、昨年は全国平均39.8%に対し33.3%で、全都道府県中29位だった。

 今年8~9月に行われた調査結果で、滋賀は46.3%を記録。全国平均の45.1%を上回り、順位も27位に上がった。

 JAF滋賀支部は、19年に散歩中の保育園児らの列に車が突っ込み、園児2人が死亡、園児ら14人が重軽傷を負った事故を受け、日本自動車販売協会連合会(自販連)滋賀県支部と連携し、車の販売店などで「歩行者ファースト」の意識向上に努め、今年は県警とも連携した。JAF滋賀支部の村岸利教事業課長は「活動の成果が表れてきているのだろう」と話す。

 向上したとはいえ、50%には届かず、全国トップの長野(84.4%)や2位石川(76.4%)、3位栃木(74.8%)などと比べると依然として大きな開きがある。村岸課長は「まだ5割以上の車に止まってもらえていない。100%に近づけていきたい」としている。

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