プリプリ絶品! 養殖カキ収穫の季節 赤穂・坂越湾 「むき子」の女性ら大忙し

養殖いかだからクレーンで引き上げられる殻付きのカキ=赤穂市の坂越湾沖

 冬の味覚の代表格、養殖カキの水揚げが、兵庫県の赤穂、相生、たつの、姫路の4市で書き入れ時を迎えている。沖合の養殖いかだからロープを引き上げると、殻付きのカキが鈴なりにびっしり。港にある加工場も、選別や殻むき作業などで活気づいている。

 県水産漁港課によると、2021年の県内の水揚げ量は殻付きで約1万150トン。広島、宮城、岡山に次いで全国4位に位置している。養殖には通常出荷まで3年ほどかかるが、播磨灘では、揖保川や千種川から豊富な栄養分が流れ込み、半年から1年の短期間で大きく育つ。

 赤穂市の坂越湾では、同市漁業協同組合に所属する16業者が養殖に取り組む。12基のいかだで育てる昭和水産(同市坂越)は漁期になると、夜明け前から作業を開始。船で港と沖を2、3回往復してカキを運ぶ。水揚げされたカキの一部は加工場に移され、「むき子」と呼ばれる女性たちが手際よく殻を取り除いてむき身にしていた。

 同社の大河昌幸さん(31)は「まだ少し小ぶりだが、寒くなるにつれ、もっと大きくなりますよ」と期待していた。(辰巳直之)

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