「接続道路ナシ」活用困難な土地・建物、良案ない? 京都市上下水道局、民間から提案募る

周りに道路がない上、地下施設も残る元梅津予備水源地=京都市右京区(京都市上下水道局提供)

 京都市上下水道局は財源確保に向け、保有する土地や建物の有効活用を市民や事業者に提案してもらう制度を創設した。地下室があったり、道路に接していなかったりして、通常の入札では買い手が付かない土地や建物が主な対象になる。同局は「庁内でも何とかできないか検討したが、良いアイデアが出なかった」とお手上げとなり、民間に助けを求めることになった。

 上下水道局は不要になった土地や建物はこれまでも売却するなど有効活用してきたが、活用しにくい土地や建物が11件残っている。

 これらは資材置き場や倉庫などの用地が多く、500平方メートル未満と狭い。今熊野資材置場(東山区)は三角形の土地で、元洛北ポンプ場(左京区)は地下室が残ったままという。廃止予定の住吉ポンプ場東側用地(伏見区)は、敷地面積が6600平方メートルあるが、建築基準法に定められた接続道路がないため建築物が建てられない。「活用しにくく、ほとんど価値のないところ」と同局は認め、少なくとも15年間、活用できなかった土地もあるという。

 こうした資産を有効に活用するため市民や事業者からアイデアを募る。応募期間は設けず、まちづくりへの貢献も加味して判断する。提案内容は、市が事業性や財政効果などを踏まえて審査する。原則、公募型プロポーザル(提案)で候補者を選定する。

 市上下水道局経営戦略室は「民間の力を借りないと、もう有効なアイデアは出ないという結論に至った。有意義な案を出していただきたい」としている。問い合わせは経営戦略室075(672)7710。

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