寺内健さん、引退セレモニー 水泳飛び込み界の「レジェンド」 30年の競技人生、尼崎で振り返る

引退セレモニーで恩師や家族への感謝を述べる寺内健さん=尼崎市内のホテル

 水泳の飛び込み男子で日本勢夏季五輪最多タイの6大会に出場し、9月に現役を退いた寺内健さん(43)=宝塚市出身=の引退セレモニーが10日、尼崎市内で開かれた。寺内さんは約30年の競技人生を振り返り「多くのサポートで強くなれた」と、改めて恩師や家族に感謝した。

 飛び込み界の「レジェンド」と称される寺内さんの功績をたたえようと、兵庫県水泳連盟が主催し、馬淵崇英コーチら関係者約60人が出席した。長く指導してきた馬淵コーチは小学生当時のエピソードなどを紹介し、「私の人生そのものだった」と、二人三脚で歩んだ日々を回想した。

 JSS宝塚で共に練習してきた板橋美波、荒井祭里も「憧れの存在。一緒に五輪に出場できた経験は宝物」などと思い出を語り、寺内さんに花束と記念品を手渡した。

 引退後はコーチとして坂井丞(ミキハウス)の指導に当たるなどしているといい、寺内さんは「自分の知識や経験を兵庫の子どもたちにも伝えられたら」と、地元での競技普及にも意欲を見せた。(山本 晃)

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