Bモーターつなぎ融資300億円 主力行、破綻回避を優先

ビッグモーターの看板

 自動車保険の保険金不正請求問題に端を発した経営危機が続く中古車販売大手ビッグモーター(BM、東京)に対し、主力取引銀行の三井住友銀行が300億円のつなぎ融資を行う方針であることが12日、分かった。社会的な信用が低下したBMへの融資はリスクを伴うが、伊藤忠商事など3社が再建支援を検討中で、破綻回避を優先し資金繰りを支える必要があると判断した。

 他の取引銀行であるみずほ銀行や三菱UFJ銀行、地方銀行などの対応が焦点。伊藤忠などが検討中の再建支援は、可否の判断が来春になる見通しだ。支援交渉が不調に終われば、融資の回収が困難になる恐れがあるため、銀行側はBMの不動産や売掛金など十分な担保を取る方針だ。

 伊藤忠はニッポンレンタカーサービスを傘下に持つ東京センチュリーの筆頭株主で、高級輸入車販売のヤナセ(東京)も連結子会社に抱える。グループで手がける自動車関連事業との相乗効果や、BMを支援することで自社の評価に影響が出るリスクなどを慎重に見極め、最終的な判断を下す方針だ。

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