贈り物に“映える”和菓子 芸工大生の五百川さん、上山の企業と新商品開発

開発した「可惜夜」を紹介する五百川遥さん=山形市・きねや菓寮

 若者世代に和菓子店との接点を増やしてもらおうと、東北芸術工科大企画構想学科4年の五百川遥さん(21)=山形市=が、菓子製造販売の杵屋本店(上山市、菅野高志社長)と協力して和菓子の新商品「可惜夜(あたらよ)」を開発した。11日に記者発表し、“SNS映え(交流サイト)”する見た目や気軽な贈り物としての利用を意識したなどと特徴を語った。

 可惜夜は、鮮やかな青色の琥珀(こはく)糖で、甘さ控え目のソーダ味。杵屋本店が販売する創作ようかん「星合いの空」を一口サイズのサイコロ状にカットして乾燥させた。商品名は「明けるのが惜しいほどすてきな夜」の意で、食べる時間が特別なものになるようにとの思いを込めた。

 同大の卒業制作企画として今年7月から開発に取り組んだ。インターネットで目にした「若者の和菓子離れ」を社会課題と捉え、解決策として商品開発を進めた。学生へアンケートするなどし、「若者は和菓子が嫌いではないが接点が少ない」ことや「SNSで共有できる見た目に魅力を感じる」ことなどに気付いた。

 商品開発する中で、和菓子が持つ感謝を伝えるコミュニケーションツールとしての役割にも着目。メッセージカードを添えたパッケージデザインを提案した。デザインは同大グラフィックデザイン学科4年の片田日菜子さん(22)に協力してもらった。

 五百川さんは「どこか懐かしい味。家族や友達への贈り物などに使ってほしい」と話している。可惜夜は70グラム入りで1404円。13日から杵屋本店の各店舗で販売するほか、卒業制作展開催期間の来年2月の1カ月間は、学内の店舗でも取り扱う。

開発した「可惜夜」を紹介する五百川遥さん=山形市・きねや菓寮

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