市長「非常に大問題…私の推定が間違っていた」暫定目標値の220倍のPFAS検出 化学工場近くの雨水ポンプ場排水から検出=静岡市【詳報】

静岡市清水区の化学工場周辺で、発がん性が指摘される有機フッ素化合物「PFAS」が高濃度で検出されている問題について、静岡市は調査の結果、工場近くの雨水ポンプ場の排水から、新たに国が定める暫定目標値の220倍の値が検出されたと発表しました。

【動画】市長「非常に大問題…私の推定が間違っていた」暫定目標値の220倍のPFAS検出 化学工場近くの雨水ポンプ場排水から検出=静岡市【詳報】

静岡市清水区の化学工場「三井・ケマーズフロロプロダクツ清水工場」周辺で、発がん性が指摘される有機フッ素化合物「PFAS」が高濃度で検出されている問題。市は2023年10月以降、工場周辺の水路や井戸で毎日、PFASの濃度調査を行ってきましたが、これまでと桁違いの値が判明しました。

<静岡市 難波喬司市長>
「我々はこの工場からの排水を問題としていましたけれども、静岡市の雨水ポンプ場から出ている濃度が非常に高いことがわかりました。毎日約1万トン排出しています。非常に大問題である」

市は、工場近くの三保雨水ポンプ場の排水から1万1000ナノグラムのPFAS濃度が検出されたと発表しました。国が定める暫定目標値は、1リットルあたり50ナノグラムですが、今回検出された値は、その220倍。これまで市が行った調査では最大の値となります。

<静岡市 難波喬司市長>
「私の推定が誤っていたということになります。雨水ポンプ場からは雨水しか来ていない状態なので、雨水はそんなに濃度が高くないはずなんですね。工場から出てくる排水が混じって希釈されるので、希釈どころか雨水ポンプ場の方が高い」

市の工場への聞き取りの結果、PFASは主に工場の西側で使用されていることが分かり、そこからポンプ場へと水路がつながっていることから、工場内の地下水が何らかの理由で水路に入り込んだと見られています。

<静岡市 難波喬司市長>
「水道水を飲んでいる限りは健康への影響はないと思われますので、過度な心配は必要ないと思うが不安だと思う、しっかりとした情報提供をする」

市の調査では三保地区のほか、折戸地区や駒越地区の井戸でも高い濃度が検出されていて、地下水については当面飲用を控えてほしいと呼びかけていますが、水道水に関しては安心して使用してほしいとしています。

© 静岡放送株式会社