広島市の職員研修資料 教育勅語の一部を引用 「評価してもよい部分があったという事実を知ることは大切だと考える」 市長は継続使用の意向

広島市の職員研修で使われる資料に、明治時代に示された教育の基本方針=「教育勅語」の一部が引用されていました。松井市長は、この資料を「今後も使用する」としています。

教育勅語を引用した資料は、松井一実市長が就任した翌年の2012年から毎年、新規採用と新任課長級の職員に対する研修で使用されていました。

文言は、「生きていく上での心の持ち方」と題された章で、「先輩が作り上げた良い物はしっかりと受け止め、後輩に繋ぐことが重要」として、英文とともに、「爾臣民 兄弟に 友に 博愛 衆に 及ぼし…」という文言を引用しています。

教育勅語は1890年、大日本帝国憲法の下で教育の基本や国民道徳の根本を示した明治天皇の言葉です。

戦後にできた新たな憲法の原則である民主主義的教育理念に反することから国会で失効が決議されていて、一部の市議会議員からは引用を問題視する声もあります。

松井市長は、「教育勅語そのものを評価すべきとは考えていないが、その中に『評価してもよい部分があった』という事実を知ることは大切だと考える」とコメントしていて、今後も使用する考えを示しています。

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