高校生には「伝わった手応え」の一方で「怒りと…悔しさと悲しみと歯がゆさ」 オブザーバー参加さえしなかった自国の政府に被爆者は  

核兵器禁止条約の締約国会議に併せてニューヨークを訪れていた、広島県被団協の箕牧理事長が記者会見し、現地の関心に落差を感じたと話しました。

広島県被団協の箕牧智之理事長は、会議を傍聴したほか、サイドイベントに参加したり、大学や高校などで被爆証言したりしました。

会議そのものに対しては、現地の一般人やアメリカメディアの関心が低く、注目されていないと感じたといいます。

一方、「海外では最後なるかもしれない」と臨んだ被爆証言では、次々に質問の手が上がり、泣き出す生徒もいたといい、「思いが伝わったという手応えを感じた」とふり返ります。

広島県被団協 箕牧智之理事長
「戦争だけはダメよ。あなたの命も私の命も同じ重さですよ(と伝えた)」

また、条約にはおよそ70カ国が署名・批准し、会議には30カ国以上がオブザーバーとして参加する中、オブザーバーとしてさえも参加しなかった日本政府に対しては…

広島県被団協 箕牧智之理事長
「全然耳を貸そうとしない、(日本)政府のやり方というのは、怒りと、悔しいと悲しいと歯がゆいと…まぁそういうような感じばっかりですよね。異常ですよ、異常じゃと思いますよ」

箕牧理事長は、2025年の開催までに機運を盛り上げていきたいとしています。
具体的には、被爆者7団体で取り組んでいる「日本政府に条約批准を求める署名」を、さらに幅広い団体で取り組んでいけるように呼びかける予定だということです。

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