今年の漢字「税」栃木県での話題は? 下野新聞で振り返ってみた ネガティブな話が多いけど…

栃木市岩舟総合運動公園内のサッカー専用スタジアム。行政訴訟では固定資産税免除の違法性が問われた

 12日に日本漢字能力検定協会が発表した、2023年の世相を1字で表す「今年の漢字」は「税」。栃木県内でも、さまざまな「税」の動きがあった。下野新聞を通じて、今年の「税」を振り返ってみたい。

 1月1日から12月11日の紙面を調べてみると、「税」という言葉が含まれる記事は760本掲載された。その中でも、特に読まれた「税」の記事を、下野新聞公式ホームページ「SOON」へのアクセスを基に調べた。

 最も読まれたのは、栃木市が全面敗訴したサッカー専用スタジアムを巡る行政訴訟。経済効果などの公益性を理由に、市がサッカーチームを運営する企業に対し、スタジアムの固定資産税などを免除していたが、東京高裁から「合理性があるとはいえない」と判示された。その後、市側は上告を断念した。

◇サッカースタジアム訴訟、栃木市側全面敗訴 税免除「合理性ない」 控訴審、東京高裁判決でも

 次いで読まれたのは、ふるさと納税の話題。ふるさと納税は、応援したい自治体に寄付できる制度だが、寄付者の居住する自治体にとっては税が流出する。2022年度は、小山市など14市町が「黒字」、宇都宮市など11市町が「赤字」となった。県内でも返礼品競争を背景に二極化の傾向がみられた。

◇小山は黒字12億円、宇都宮は赤字14億円 県内ふるさと納税、過去最高も明暗 背景に激しい返礼品競争

 このほか、足利市が名刀「山姥切(やまんばぎり)国広」を取得するため、ふるさと納税の返礼品を充実させた話題も読まれた。また大田原市が17年間にわたって、市内の立地企業1社から固定資産税4966万円を過徴収した話題も、多くのアクセスがあった。

◇「山姥切」人気早くも沸騰 刀剣ふるさと納税開始 35種類の返礼品 CFは9千万円超え

◇固定資産税4966万円を過徴収 大田原市が1社に17年間

 どちらかというと、ネガティブな話題の方が読まれた「税」の記事。ただ公共サービスを支える重要な財源でもある。新年は、徴収される苦しみより、少しでもありがたみを感じられる年になるのを願うばかりだ。

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