ケニアの医療・保健に貢献 長崎大に在外公館長表彰

岡庭大使から表彰状を受け取る金子教授(左)=在ケニア日本大使館(長崎大提供)

 長崎大は、ケニアの医療・保健活動の発展と国民の健康増進に大きく貢献したなどとして、岡庭健駐ケニア大使から在外公館長表彰を受けた。同大熱帯医学研究所副所長で学長特別補佐の金子聰教授が11月16日、現地で表彰状を受け取った。
 ケニアは1963年に独立し、同大は66年から10年間、医師や看護師、検査技師を派遣。この活動は、さだまさしさんの楽曲、小説「風に立つライオン」の題材としても知られている。
 79年にケニア中央医学研究所(KEMRI)が現地に設立された際は、支援主体となった国際協力機構(JICA)のチームリーダーを同大教授が務めた。その後も、同大のカリキュラムを通じて感染症や公衆衛生分野のリーダーを育成。こうした活動が97年のケニア初の感染症研究施設「バイオセーフティーレベル(BSL)3」の開設につながったとされる。
 2005年にはKEMRI内に長崎大熱帯医学研究所のケニア拠点を設置。現在、同大とケニアの4大学は学生の相互派遣などで交流を続けている。金子教授は「先輩方が始め、今も続く活動が評価されて誇りに思う。今後もケニアだけでなく、アフリカと日本の架け橋となる大学でありたい。人材交流は将来的に長崎にも恩恵をもたらす関係の構築につながると思う」と話した。

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