ル・マン限定のタイヤウォーマー解禁は復活せず。2024年のWECは全8戦で使用禁止へ

 ル・マン24時間レースを主催するACOフランス西部自動車クラブは、2023年シーズンに“例外”として認めていたル・マンでのタイヤウォーマーの使用を復活させないことを決定した。これにより来季2024年のWEC世界耐久選手権では、ル・マンを含めた8戦すべてでタイヤウォーマーの使用が禁止となる。

 WECのフレデリック・ルキアンCEOは先月、フランスのクラシック耐久レースに限ってタイヤウォーマー禁止を免除するという今年の例がふたたび検討されているが、まだ決定には至っていないと述べた

 しかし、先週発表されたル・マン24時間レースの補足規定第6.5.5.条には、「(周囲温度と比較して)タイヤの温度を直接または間接的に変更しようとするいかなるプロセスも禁止する」と記されている。

 Sportscar365の取材に対しACOの広報担当者は、同規則がタイヤウォーマーにも適用されることを確認し、WECが前年から採用しているタイヤの予熱に関するルールを適用したという。

 発電機を使用したタイヤウォーマーはWECの2023年シーズン開幕前に禁止されたが、外気温が10℃を下回ったスパ・フランコルシャン6時間ではコールドタイヤでグリップが得られずコースアウトするマシンが続出する事態となったため、この新しいルールにとくに批判が集まった。

 これらのクレームを受けACOは今年のル・マン24時間でタイヤを予熱することをチームに許可する一回限りの免除措置を実施したが、前述のとおり2024年に同じ措置が維持されることはない。

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