韓国観光公社、観光企業支援センター(KTSC)を東京に開設 韓国ベンチャー15社が入居

韓国観光公社(KTO)は12月5日、韓国の観光ベンチャー企業が15社入居する観光企業支援センター(KTSC)をweworkリンクスクェア新宿(東京都渋谷区)に開設した。同センターは、2番目の海外拠点で、オフィススペースを提供するほか、市場調査や広報、商談イベントなどを実施予定。日本市場への参入や事業展開を支援し、日韓の観光産業を活性化する。

KTSCは、韓国・ソウルや釜山のほか、シンガポールなど、世界10カ所で開設している。KTOは、2020年に観光グローバルチャレンジプログラムを通じて8つの観光スタートアップを発掘したことからはじめ、これまでに約90社以上を発掘し、支援している。今回開設する新たなKTSCには、旅行商品販売を支援するソリューションを提案する会社や、外貨両替えプリサービス、外貨プリペイドカード、流通ソリューション、旅行/宿泊プラットフォームなどを提供する会社などが入居している。

韓国観光ベンチャー企業を紹介する「K-韓国スタートアップの夕べ」開催

開所式の様子

同日には東京・赤坂のホテルニューオータニで同センターに入所した韓国観光スタートアップ企業15社を紹介する事業交流イベント「Kー韓国スタートアップの夕べ」を開催。日韓から観光関係者が約150人参加した。

冒頭、KTOの金長實(キム・ジャンシル)社長が「日韓の観光交流が深まることは、コロナ禍で大きな波があったグローバル観光産業の回復、けん引につながる。両国のビジネス環境と文化は異なるが、観光企業間の協力関係を強化することで、新たな観光モデルが創出される。今後のさらなる観光市場の拡大に期待している」と話した。また、日韓の首脳によるシャトル外交の12年ぶりの再開や、航空便がコロナ禍前から75%まで回復したことなどが後押ししていることを強調した。

金長實社長

来賓からは、韓国側から韓国文化体育観光部の龍昊聲(ヨン・ホソン)観光産業政策官が「歴史から見るとチャンスは危機から生まれている。観光には①交通②宿泊③見る―の3つの領域があるが、新たなビジネスの交流は観光の領域において、付加価値を生み出すことにつながるはずだ」と述べた。

龍昊聲観光産業政策官

日本側からは、観光庁の星野光明国際観光部長があいさつ。「最新のデジタル技術を持つ韓国の観光関係ベンチャーの進出が、日本の地方が抱える観光課題の解決につながる。また、韓国の日常で使われているサービスが日本で普及することで、韓国人旅行者の利便性が高まり、より多くの来日者の増加に寄与するはずだ」と期待した。

星野部長

このほか、マッコリを入れた樽を使った鏡開きや、韓国の観光ベンチャー企業15社と日本企業による商談会などが行われた。

商談の様子## 韓国の観光ベンチャー企業15社(企業名、事業内容)

1、STYFOLIO:素敵な宿をキュレーションするオリジナルプラットフォーム

2、Gleam Media Group:「スタープレイ」ビッグデータ投票基盤 グローバルK-POPファンダムコンテンツプラットフォーム

3、NUUA:次世代航空流通標準NDCC及びGDS、LCC統合航空券流通ソリューション

4、KAFLIX:海外訪問観光客のリアルタイムERP連動レンタカー予約サービス

5、Tripbtoz:映像基盤次世代オンライン旅行/宿泊プラットフォーム

6、Media&Art:自主製作 没入型実感コンテンツ

7、DOWHAT:ホテル/リゾート産業のDXのためのスマートホテル統合プラットフォーム

8、Lordsystem:モバイルパスポート身元認証 観光金融O2Oプラットフォーム Trip.PASS モバイルTax-Free QR決済サービス

9、EODING:「ア―ディングSaaSプラットフォーム」旅行商品の販売に最適化されたオールインワンERPソリューション

10、AirDeep:AI空気質診断喫煙探知サービス AI冷暖房機最適制御サービス

11、Cashmallow:ICT連携モバイル 外貨両替アプリサービス

12、Travel Makers:「ホテルに住む」イン/アウトバウンド観光客対象ホテル長期滞在専用プラットフォーム

13、Travelwallet:「トラベルペイ」トラベルウォレットビザ 外貨プリペイドカード

14、AGL:「TIGER(タイガー)GDS」グローバルゴルフ旅行AIプラットフォーム(1000カ所以上のゴルフ場)

15、AX:アクティビティ商品 オンライン流通および管理ソリューション

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