リニア新幹線の工事をめぐり国の有識者会議がまとめた環境保全の報告書について、静岡県の川勝平太知事は12月13日「非常に分かりやすい」と評価しました。一方で、残る課題については県の専門部会でJR東海と議論していく方針です。
【写真を見る】リニア問題で川勝知事「非常に分かりやすい」国の有識者会議の環境保全報告書を評価 一方で課題が残ると指摘=静岡
<川勝平太知事>
「今回の報告書は非常に分かりやすい、その点が良かった。JR東海さんがこれに添って全力で取り組むと表明、当然だが良かった」
川勝知事が13日「非常に分かりやすい」と評価したのは国の有識者会議がまとめた南アルプスの生態系などの環境保全の報告書についてです。
7日、国の有識者会議の中村座長が斉藤国土交通大臣に環境保全の報告書を手渡しました。
リニア新幹線の工事をめぐっては、静岡県は大井川の水問題や南アルプスの生態系への影響を懸念して着工を認めていません。
国の有識者会議では2020年から「水資源」と「環境保全」について議論し「水資源」の報告書に続き今回「環境保全」の報告書をまとめました。
有識者会議の議論の結論が出たことを受け、JR東海の丹羽社長は12日の会見で次のように話しました。
<JR東海 丹羽俊介社長>
「まずは報告書に基づいた進め方を静岡県や静岡市と実務レベルで意見交換を始めていきたい」
しかし、川勝知事は報告書には課題が残ると指摘しています。
<川勝平太知事>
「沢の上流部、沢周辺の生態系について予測されていない。こうした課題があるので、こうした課題に対して、有識者会議では十分に議論されない。報告書の内容を読み、不十分な点を専門部会で対話を続けていきたい」
川勝知事は、今後も県の専門部会でJR東海と議論していく方針です。