【中国】広汽が新型電池「P58」発表、長寿命が特長[車両]

中国自動車大手の広州汽車集団(広汽集団)は12日、傘下の電池メーカー、因湃電池科技が同日、広東省広州市の電池工場で新型電池「P58微晶超能電池」をラインオフしたと発表した。新型電池は寿命が長く、電池搭載車の航続距離を伸ばせることが特長。

同日に電池工場が完成した。新型電池のサイクル回数(電池を1度充電して放電するまでの流れを1サイクルと数える。サイクル回数が多いほど寿命が長い)は最大4,000回。ネットメディアの澎湃新聞などによると、現在の業界トップレベルの電池(最大3,000回)よりも3割ほど多い。走行距離から見た電池寿命は150万キロメートルで、業界トップレベルの電池(120万キロ)と比べ25%伸びた。

新型電池はリン酸鉄リチウムイオン電池。電池パック全体のエネルギー密度(1キログラム当たり)は146.5ワット時で、業界トップレベルの電池(140ワット時)をやや上回る。

新型電池の搭載車の航続距離は700キロを超える。10分の充電で250キロ以上の連続走行が可能という。

リン酸鉄はこれまで、三元系リチウムイオン電池と比較して航続距離が短いことが欠点とされてきたが、この常識を覆すような航続距離を実現した。

■体積利用率90%超

新型電池の体積利用率(電池パック全体の体積に占める電池セルの体積の割合)は90%以上で、車載電池大手の寧徳時代新能源科技(CATL)が昨年6月に発表した新型電池「麒麟電池」の体積利用率(72%)を大きく上回った。

新型電池は細長い直方体のセルをパック内に効率的に敷き詰めたほか、電池端子や電池タブの設計に工夫を加えたことで、高い体積利用率を実現した。

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