いけす1基追加、稚魚を倍増9500匹 氷見沖のサーモン養殖 宇波浦漁業組合、ギンザケ放つ

いけすにギンザケの稚魚を投入する漁師=氷見市の大境漁港

  ●時期早め重さ1.5倍に 来年5月の出荷目指す

 サーモン養殖に取り組む氷見市の宇波浦漁業組合は13日、宇波沖のいけすに、ギンザケの稚魚9500匹を投入した。3年目の今シーズンはいけすを1基追加して2基とし、養殖数を倍増させた。稚魚投入の時期は昨シーズンより約2カ月前倒しし、1匹当たりをこれまでの1.5倍となる約1.5キロまで成育させる。来年5月に8千匹前後の出荷を目標とする。

 宇波浦漁業組合は2021年度から、市の支援を受けてギンザケ養殖の実証実験を開始した。2年目の昨シーズンの出荷数は2500匹(前年千匹)、大きさは平均1キロ(同800~900グラム)と順調に推移している。

 3年目はさらなる水揚げ増加を目指して約12メートル四方、深さ5メートルのいけす1基を増設し、稚魚の数を昨シーズンの4500匹からほぼ倍増させた。昨シーズンの出荷数は投入した稚魚の6割に満たなかったが、今シーズンは8~9割の出荷を目指す。

 13日は、福島県から仕入れた約230グラムの稚魚を大境漁港に寄せたいけすに入れた。3時間ほど海水に慣らした後、いけすを宇波沖約500メートルの設置地点まで船でえい航した。

  ●遠隔操作導入を検討

 同組合は、創意工夫で地域の課題解決に挑む農林水産業者を支援する「農林水産みらい基金」の助成を受けており、来年度は遠隔操作でいけす内の映像確認や、餌やりできるシステムの導入を検討する。荻野洋一組合長は「来年はより多くの市民や観光客に食べてもらいたい。冬のブリに続く、春先のサーモンとして名物にしたい」と話した。

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