マウントジーンズ那須閉場惜しむ関係者の声 冬の観光、スポーツへの影響懸念

マウントジーンズ那須のゲレンデ=3月、那須町大島(同スキー場提供)

 今季の営業を最後に30年の歴史に幕を下ろすことになった那須町大島のスキー場「マウントジーンズ那須」。地元関係者の間には、惜しむ声や冬の観光・スポーツへの影響を懸念する声が広がっている。

 平山幸宏(ひらやまゆきひろ)那須町長は「町内の小中学生もスキー教室でお世話になっていた。(閉場は)とても残念」と漏らす。「スキー離れや温暖化の問題など、経営に厳しい状況もあったと思う」とおもんぱかりながら「今後は別の形で冬の観光を盛り上げていきたい」と話した。

 同スキー場に近い那須どうぶつ王国の鈴木和也(すずきかずや)副社長(62)は「互いに観光客を補い合える存在だった」と惜しむ。今年3月の那須アルパカ牧場の営業終了など、近隣レジャー施設の相次ぐ閉鎖に危機感をにじませ「那須連山などの豊かな自然を打ち出すなどして、園をより魅力あるものにしなければならない」と見据える。

 同町内では「那須温泉ファミリースキー場」が昨年3月に閉場となったばかり。県スキー連盟で競技本部長を務める同町職員足助浩之(あすけひろゆき)さん(49)は「県北のスノースポーツ産業にとって痛手」と言い「スキーを体験できる場所や機会が減少し、スキー人口の減少が加速してしまうのではないか」と危惧した。

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