犯罪被害者の支援条例、岩手県が施行へ 来年4月、「公助」を軸に

 岩手県は、犯罪被害者や遺族らの支援に特化した条例を2024年4月に施行する方針だ。骨子案では日常生活を取り戻すための支援や、誹謗(ひぼう)中傷などの二次被害を防ぐための「公助」を軸に据えた。同様の条例は45都道府県が施行しているが、見舞金の支給など支援内容には差があり、本県の対応が注目される。

 盛岡市内で13日に開いた在り方検討会議で骨子案を示した。多様な施策を講じる県の責務、二次被害を生じさせないための配慮など県民の役割を明確化。▽具体的な支援内容を定める計画の策定▽必要な財政措置▽専門的な見地から調査、検討する審議会の設置-などを盛り込んだ。

 犯罪被害者支援を巡っては、県が2007年に施行した「犯罪のない安全で安心なまちづくり条例」の条文にのみ規定があるが、自助や共助を基本とする。新たな条例は、県などが率先して施策を講じる公助を軸にすることで、被害者らに寄り添った支援につなげる。県は条例の制定後に、具体の支援内容を盛り込んだ計画を審議会の議論を踏まえてまとめる方向だ。

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