栃木県初快挙「ゆうだい21」が日本一に 鹿沼南高産、食味で評価 おいしい米コンで最優秀金賞

「日本一おいしい米コンテスト」の高校生の部で最優秀金賞を獲得した鹿沼南高の(右から)稲葉さん、阿部さん、清川さん、柴田さん、斎藤さん

 【鹿沼】鹿沼南高食料生産科の3年生5人が今年、同校の水田で栽培したコメ「ゆうだい21」がこのほど、米どころの山形県庄内町で開かれた「第17回あなたが選ぶ日本一おいしい米コンテスト決勝大会」(同町など主催)の高校生部門で最優秀金賞を受賞した。全国38校から出品された60点の頂点で、本県の高校が同賞を獲得するのは初めて。5人は「育てたコメが評価されてうれしい」と苦労の“実り”を喜んでいる。

 5人は、いずれも18歳の稲葉澪琉(いなばれいる)さん、阿部朋華(あべともか)さん、清川(きよかわ)ひなさん、柴田華月(しばたかづき)さん、斎藤虎政(さいとうこうせい)さん。同科は授業の一環で数種類のコメ栽培を行っており、「ゆうだい21」は同校の水田30アールで栽培。「自分たちが育てたコメの評価を知りたい」(稲葉さん)と同コンテストへ応募した。

 審査は予選と決勝の2段階で行われ、外観、香り、味、粘り、硬さの5項目を総合的に判断される。同校のコメは、公募した一般家庭が審査する予選は25点満点中、決勝進出最低ラインの19点で通過。11月25日に6校で争われた決勝では、同一方法で炊飯した白飯を庄内町長ら審査員15人が食べ比べ、最高評価を得た。柴田さんは「ゆうだい21の特長である食味の良さが高評価につながったのかも」と話す。

 栽培は4月の育苗から田植え、稲刈りまで5人が中心となり担当。穂の数や株の分かれ方など生育調査を週1回のペースで続けるなど研究も並行して行った。「夏の暑い中での調査は大変だった」と清川さん。阿部さんは「ゆうだいについて学べたのは有意義だった」と話した。指導した前田健一(まえだけんいち)教諭(49)は「生徒たちの頑張りが賞につながったと思う」と評価する。

 収穫した「ゆうだい21」約450キロは秋の学校祭などで販売し、すでに完売したという。斎藤さんは「心を込めて育てたので、食べたらひときわ味の違いを感じた」と話し、喜びを実感していた。

鹿沼南高の生徒が育てた「ゆうだい21」

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