【MLB】ドジャースがレイズの剛腕グラスナウを獲得 弱点のローテにエース級補強 大谷に強力援軍

写真:タイラー・グラスナウ

日本時間15日、大谷翔平を獲得したドジャースがすかさず次の補強に動いた。レイズのエース、タイラー・グラスナウをトレードで獲得したことを複数の米メディアが伝えている。ドジャースはグラスナウと外野手マニュエル・マーゴを獲得、対価として若手有望株のライアン・ペピオとジョニー・デルーカがレイズに移籍している。

世界一の最有力候補のひとつに数えられるドジャースだが、先発ローテーションは脆弱。オフの補強の最優先事項に挙げられていた。1番手のウォーカー・ビューラーはトミー・ジョン手術明け、それ以降はポテンシャルはあるが実績を欠くボビー・ミラー、ライアン・ペピオ、エメット・シーアンらの若手有望株が続くという陣容で、実績ある投手を必要としていた。エース級の素質を持つグラスナウの獲得はまさにフィットする補強になる。

現在30歳のグラスナウは、平均約155キロの4シームと、被打率.095・空振り率51.6%の必殺のパワーカーブが持ち味。素質だけなら間違いなくエース級の投手だが、故障が多く稼働率は低い。今季はキャリアハイの21先発・120イニングを投じ、10勝7敗・防御率3.53の成績。120イニング以上では、奪三振王スペンサー・ストライダー(ブレーブス)に次ぐ奪三振率(K%)33.4%を記録していた(メジャー4位は大谷翔平)。

レイズは2021年にトミー・ジョン手術を受けたグラスナウに対して、FAの1年分を買い取る2年契約を結んでいた。総額自体は2年3035万ドルだが、その内訳は1年目(2023年)が535万ドル、2年目(2024年)が2500万ドルというもの。レイズはトレードを前提に2年目を高額に設定したと見る向きが多く、FAまで残り1年のグラスナウのトレードは確実視されていた。

ドジャースが持つグラスナウに対する負担は安くない。贅沢税の計算に用いられる年平均サラリー(AAV)はシーズンオフのトレードを挟むと再計算される。そのため、ドジャースの贅沢税サラリーにはそのまま2500万ドルの実負担が加算されることになる。しかし、『ESPN』のジェフ・パッサンによれば、グラスナウはドジャースと延長契約を結ぶことがトレードの条件となっており、贅沢税への負担は軽減される可能性もある。

大谷翔平がリボ払いの契約によって作り出したペイロール(総年俸)の余裕が、早速功を奏したと見るべきだろう。

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