奥能登産原木シイタケ「のと115」の特秀品「のとてまり」の初競りは15日朝、金沢市中央卸売市場で行われ、最高級規格「プレミアム」の8個入り1箱(500グラム)が30万円で競り落とされた。昨年の31万5千円は下回ったものの、2年連続の高値に市場は沸き返った。
初日出荷されたシイタケは102箱で、このうち、のとてまりが3箱、プレミアムは1箱だった。きり箱に収められたプレミアムは珠洲焼の皿に載せられて大トリに競られ、30万円の値が付くと生産者や仲買人らからどよめきが起こった。
●まん丸、肉厚
競り落としたのは、金沢市片町2丁目の飲食店「ラ・セゾン」の依頼を受けた北国青果(同市)。同社の高谷政司野菜係長(50)は「まん丸で肉厚、まさに手まりのよう。競り落とせて安心した」と話した。ラ・セゾンの池川みどりオーナーは「購入できた瞬間、常連さんの喜ぶ顔が目に浮かんだ。今夜にも提供したい」と声を弾ませた。
プレミアムを除く、のとてまりは3万1500円~3万5千円の値が付いた。
奥能登原木しいたけ活性化協議会の樋下義勝会長(78)は「夏場の猛暑など生産者にとっては難しい生育環境だったが、12月に入って気温が下がり、例年並みの品質になった。高く評価していただきありがたい」と話した。
2011年に設定されたのとてまりの規格は、のと115のうち、かさの直径8センチ以上、肉厚3センチ以上、かさの巻き込み1センチ以上となっている。中でも特に形が優れ、肉厚4センチ以上がプレミアムに認定される。のと115は来年3月末までに平年並みの計3万8千個の出荷を見込む。