名門小松商ハンド部に助っ人 部員減で他の部の3人「力になりたい」

(右から)北野さん、中松さん、斉藤さんを迎えチーム一丸となる小松商高女子ハンドボール部=小松総合体育館

  ●16日から県予選

 女子ハンドボールの名門小松商高は部員減により、16日開幕の全国高校選抜大会第47回北信越地区予選大会県予選に、ソフトボールとインターアクト部から助っ人3人を迎えて出場する。競技未経験の生徒がチームに加わるのはハンドボール部では異例だが、退部した3年生8人も練習をサポートし、存続の危機にあるチームは一丸となっている。

 村永美千代監督(48)によると、選手に転じたマネジャーを含め部員は現在5人で、コートに立つ7人がそろっていない。

 村永監督は11月の県高校新人大会に出場するため9月に勧誘に乗り出した。その結果、ソフトボール部でバッテリーを組む斉藤理央さん(2年)と中松恋杏(れあ)さん(同)、中学時代に競技経験があるインターアクト部の北野杏実さん(同)が名乗り出た。

 ソフトボール部も人数減で、10月の新人大会の際はハンドボール部から2人を送っていた。斉藤さんは「ルールも分からなかったが、今度は自分たちが恩返しできたら」と語り、北野さんは「いつも頑張っているハンド部が大会に出られないのはかわいそう。少しでも力になりたい」と話した。

 小松商高は北國銀行ハニービーなどプロチームや、日本代表に数多くの選手を輩出してきた。同様に名門の小松市立高は現在11人でチームは成り立つが、部員は年々減り、高校から競技を始める選手も2人いる。

 小松市立高の古橋健太監督(36)は「今の1、2年生はコロナの影響で中学時代に活動が減り、そのまま競技を引退するケースが多いのではないか」と推測する。

 小松は女子ハンドボールの「聖地」。村永監督もOGで全国2位を2度経験した。「取りあえず大会に出られたらいいと思っていたが、みんな一生懸命頑張ってくれており、勝ちたい思いが強くなっている」と語った。

 北信越地区予選大会県予選には女子4チームが出場する。

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